City Lights

from kyoto

明日には忘れるかもしれない風景について

月がちょい欠けのとき、よく思う。

この月のこと、明日になったら忘れてんだろうな、って。

朝起きて思うことは、「起きるの面倒だ」しかなくて、

「昨日の月、ちょい欠けだったな、乙だな」

それはない。

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忘れれば忘れるだけ、大切なことは覚えておけるのかもしれへん。

 

ロンドンナショナルギャラリーに行くぞ!と意気込んでいた。

「ど」がつくほどのミーハーからすれば「ひまわり」が見られる機会を逃すわけにはいかない。

絵を見ながらこの文脈を理解できるのか試されている気がした。

 

寒すぎる中之島ではカモが一羽、潜水、潜水、潜水。

コーヒーがすぐに冷めてしまった。

明日には忘れるかもしれない風景は、今日のこの瞬間、確かにあったのだ。

実在はなによりも美しいね。

彷徨う魂魄

ギケイキ(町田康

 

ギケイキ 千年の流転 (河出文庫)

ギケイキ 千年の流転 (河出文庫)

 

 

ほんだらね、ゆうたらね、自分のしゃべってる言語はね、誰かしらの言語であるからにしてね。

 

いま一度、言葉について考えねばならない。

この言葉は自分のものではない。なぜならそれは他者との共有によって初めて意味を持つからである。

僕が「りんご」と発音したときに、みんなが「りんご」だと思うように。

歴史の中で、多くの言葉が他者によって、あるいは自然によって奪われていったように。

 

義経は彷徨う魂魄として、僕たちの言葉を「借用」するわけだ。

この「借用」がギケイキを語り得ぬ物語へとしてしまった。

あ、そもそも現代の文学はこの語り得ぬものを美としていなかったか。

 

 

 

しかしながら誰しもが語る言葉にも価値があったりするものやねん。

だから僕はこの夜にも決まって言ってまう。おやすみなさい、と。

映画は映画だ

映画は映画だ(チャン・フン)

 

Twitterを見ているとキム・ギドク監督の訃報。

まだまだこれからだった人。

 

 

映画は映画だ。

どちらが本物か。カメラの向こうかこちら側か。

 

死生観というと大仰な気がするから、そんなことではない。

むかし、死というのはその一瞬なのか、連続するものなのかを考えていた。

生というのはその一瞬なのか、連続するものなのか。

 

キム監督のご冥福をお祈りしながら、フィルムを巻き戻す。

僕たちは何度でも会える。映画の中なら。

 

12月はもっと寒かったような気がする。

もっと思いやりのない季節だった。今は違うのかもしれないね。

 

逆行するのは光か闇か

TENET(クリストファー・ノーラン)

 

IMAXで観るべしと誰かが言っていた。

その通り。

映画というより映像体験。

観るというより感じる。

 


『ダンケルク』を超える衝撃!クリストファー・ノーラン監督最新作/映画『TENET テネット』予告編

 

現世界は逆行への抵抗である。

僕たちは未来へ向かわなければならないのだから。

未来へと向かう順行は未来人の逆行との闘いである。

僕たちの敵は他ならぬ未来の僕たちである。

 

ノーラン監督作品、それなりに追い続けてきたけど、

そん中でもむちゃくちゃ面白かった。

それから難解すぎた。2回見てちょっとわかった。ほんのちょっと。

冬のおいしい話

らぁ麺 とうひち

紫野泉堂町まっすぐ北に、

駐車場あります。並びます。

スープ売り切れます。

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おいしすぎます。

 

「しばらく醤油ラーメンはここでいい」

そんな気持ち。

 

r.gnavi.co.jp

 

朝が寒い。

毎年思うことは、

【冬やから寒いのか、寒いから冬なのか】

どっちでもいい。

どっちでもいいこと、よくある。

きちんと決めた方がいいのかもしれへんけど決めへん方が後々いいのとちがうかと思って決めてへんこと多いし、決めへんことの言い訳をしている気もせんでもない。

そのうち決めたいな、冬のこと。

AKIRA

革命とは、世界がひっくり返ること

ひっくり返るというのは価値が逆転すること

労働の対価としての金ではなく

金の対価としての労働

崇高な倫理観は裏に、暴力が表になる

人は新しいものを生み出す創造と同じものを生み出す再構築によって進化してきたけど

AKIRAでは破壊こそが進化の手段になる。

AKIRA(大友克洋)

AKIRA(1) (KCデラックス)

AKIRA(1) (KCデラックス)

 

絶対的な世界はないし、常に世界は自己と相対的である。

世界が変わったんやない、自分が変わったんや

革命はひとりひとりの内から起こる

ペンギンハイウェイ

ペンギンハイウェイ(石田祐康)

 

ペンギンいちばん好きな動物。

「好きなら好きってもっと合理的に伝えるべきだ」

少年、好きなら好きってもっと合理的に伝えなさい。

 


『ペンギン・ハイウェイ』 スペシャルトレーラー

 

生命はもうわけのわからんところに進んでいる。

目的や目標なんてのはなくて、ただ、前の人が歩いているからそれについていっている。

その前の人も前の人がいるからそれについていっている。

その前の人をたどっていくと「あれ、おれの前の人どこいった?」って。

ペンギンに聞いてみたい。

「君たちはどこにいくの?」

ペンギンハイウェイの先はもうわけのわからんところだ。

でもでも、それって先を進む理由になるのかもしれない。

わからないから進む。わかっていれば進まないのだ。

 

毎日仕事。

毎日歩行。

なんやねんと思うこともしばしば。

今日は料理をしてみた。お腹が空いていなかったので作ったものはすべて冷蔵した。

明日も「なんやねん」で生きていく。

わけのわからんことをまじめにやっていく。