City Lights

from kyoto

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

一個人としての尊厳

昔、島崎藤村の「破戒」を読んで思ったのは、 「人間という一見一個人として成立する者たちはむしろ群衆としてしかその存在の意義を見つけることができない」 という当時の高校生らしい誤ったものだった。 本当に悪い意味で馬鹿だった高校生の僕は、 その群…

フットワークの軽さと文学

フットワークが軽い 足の運びが軽妙、機敏であるさま。転じて、行動が迅速であったり行動の切り替えがすばやいさまなどを意味する表現。 (weblio 実用日本語表現辞典) 日本霊異記/今昔物語集/宇治拾遺物語/発心集(池澤直樹編集 日本文学全集08) 日本霊異記/…

いちご同盟

いちご同盟(三田誠広) いちご同盟 (集英社文庫) 作者:三田誠広 発売日: 2014/10/03 メディア: Kindle版 そのときは一生懸命に目の前のことに。 そして僕たちは受け入れる準備だって四六時中している。 つつがなく、しおらしく。 現実ってのは5:5の割合で曖昧…

カフェにある意味のないフォトグラフィを見た時

形式的なものに何かしらの意味を持たせようと日々邁進している我々に、 やはりカフェにある意味のないフォトグラフィ (フォトグラフィと言うと意味なさげな感がより深まる気がします) を見ると、何かしらの意味なんてものは それぞれの文脈においての恣意的…

地上と地下と半地下と

搾取する側とされる側 消費する側とされる側 資本主義とはそういうものだ ピザの箱をいくら丁寧に折り畳んでも 僕らの暮らしは豊かになりゃしない アメリカをいくら賛美しても 僕らの暮らしは豊かになりゃしない パラサイト 半地下の家族(ポン・ジュノ) そ…

南京道路のPRADAの広告前から

三月のまだ寒い南京道路で マフラーに顔を埋める人々と。 淋しさは深さよりも広さなのだと そのとき知りました。 誰かと暮らすことがとても難しい僕は 塞がった蟻の巣の中です。 南京道路のPRADAの広告は 薄汚れた空気の中、一層煌びやかだった。 誤りはひと…