昨晩コーラを買いに行ったとき、
ピンクのねこに遭遇した。
遭遇したというのは誇張ではなく、
ほんまにそいつは目の前に現れた。
それからちっさい屁をして立ち去った。
こんなふうにホラ話をしてから
「あれ、ほんまにこれってあったちゃう?」
と虚構を現実にしてしまえる。
目の前のものすべてが現実ということはない。
もはや証明のしようがないのは僕たちは現実と虚構の判別ができないからだ。
怒り(李相日)
しかしながら、僕たちはそれでも現実を、世界だと信じていた。
この現実が虚構まじりのデタラメであろうと、そのような二元性の矛盾を受容しつつ、
目の前にピンクのねこが現れたならそれが世界だと信じていた。
現実(=信頼)は着々と失われつつある。
やはりピンクのねこはこの世に存在しないのだから。